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(あなた と おれ の あいはちがう) 重苦しい、感情を抱いているものだと思う。香港にとっては真理でも日本にとっては観念にすぎないような、そんな些細ではあるけれど重大な間違いをしているような気になった。触れた指の先に安心したり、視線の先に嫉妬してみたり(不毛だ、と、いうことは勿論分かっている)様々な方法で香港の心を侵食していく恋心というものは一体どうやったら留まるのか、同じ感情を共有できさえすれば満たされるのか。有り得ないことを望んだ体は浅ましく愛を欲しがるけれど、それを簡単に表に出さないだけの自制心は生憎持ち合わせていた。 「日本兄」 そっと香港が囁いた言葉に、日本は瞬きを重ねて薄く微笑みを浮かべた。障子に寄りかかって日本の仕事をただ見つめていただけだった香港がようやく発した言葉に首をかしげ、日本がそれは美しく書類を纏め上げる所作を香港はただずっと見ている。 「邪魔を してしまった ?」 「いいえ、貴方がこうしていらっしゃるなんて珍しいですから」 仕事は、後でも出来ましょう。日本のさらりとした言い回しに、香港は少しだけぎこちない笑みを浮かべて誘われるまま日本の隣に腰を下ろした。自分だけではないという猜疑心に見舞われながらも幸福感は胸の中に残り、香港に苦く甘い薬を服用させる。 「けれど、本当に珍しいですね」 日本は薄く笑ったまま香港を見つめる。その瞳の裏、誰が描かれているかなんて香港にはもう痛いほど知りすぎている事柄であった。 「中国兄は、来てない」 香港の言葉に、日本は少しだけ詰まった後に小さく頷いた。微かに歪んだ表情からは何を考えているか分かりそうで、香港は目を閉じた。日本がお茶の準備を、という言葉と共に立ち上がり空気を乱してまで別室に移動するのは香港を思ってのことだろうか。もしそうだとしたらこのままここにいて欲しかったのに。香港は思うけれども声に出すことはしない。 (あなた をあいしているおれと) (おれのかげ をあいするあなた) 異なりアイラブユー |