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貴方の全てがほしい日に、貴方の熱を共有したい。 かりかりと香港の爪が日本の肌を擦った。日本は瞬きをしながら小さく痛む自身の肌と、そこに触れている香港を見つめる。寡黙な表情の香港は今日も変わらず無表情のままだけれど、少しだけ伸びた爪が日本の肌を引っかくその仕草に、日本は少しの間声をなくしてしまう。香港が日本に視線を移ろわせた。長い睫毛が(それに日本は何だか大した感慨もなくああ美青年だなぁと考えてしまったのだけれども)蛍光灯の驚くほどに無遠慮な光を受け止めて淡く色を発した。香港、日本が問いかけるように呟いた声に、彼は瞬きをする。 「どうかしたのですか」 日本は呟き、手にしていた園芸の雑誌を閉じて香港に向き合った。香港は黙ったまま日本の言葉に何も答えることなく、ただひたすらに日本の肌を引っかきつづけている。鋭利な刃物ならいざ知らず、伸びたとはいえ随分と柔らかな様子で引っかかれ続けている肌はくすぐったさは覚えても決定的な痛みは与えられない。 「ふふ、くすぐったいですよ」 日本は柔らかに微笑んで香港の頭を撫でる。撫でられた香港は目を細めて、やがて照れたように微笑んだ。頬を微かに染めた香港の笑みに、日本は目を丸めて暫く言葉を失った。香港は日本の肩に頭を置き 日本兄 と呟く。 「日本兄 」 「・・・ おやおや 」 今日はどうしたことか 甘えん坊さんですね。日本は少しだけおかしげに呟き、香港の頭へ再び触れた。香港が日本の背中へ手を伸ばし、そっと爪で服を撫ぜる。ぷりち。響いてしまった服を軽く傷つける音とともに、香港は日本を抱きしめていた。 「俺は 」 「・・・ ええ、そうですね」 日本は香港の背中に手を回し、抱きしめ返してにこりと微笑む。笑みを直接見ることは無かった香港は、日本の熱を思い目を閉じてそっと笑みを作った。 抱き締めるまで1cm (どうかどうかこの距離が長くなることはありませんように) |